(最終更新日:2020/06/18)
感情コントロールができないという状況は主に2つに分類することができます。
そもそも感情を完璧にコントロールができる人はいないのですが(※コラム参照)、
②感情コントロールが苦手で、それが社会生活に支障をきたしている
の主に2つに分けることができます。
後者の人の場合、心理学や精神医学では、異常であると定義され、精神疾患や心の病気であると医師から診断を受ける可能性があり、本人も実際に自覚があり、このことで苦しんでいることが多いわけです。
目次:
感情コントロールの本質とは何か?
感情コントロールとは、主に前頭葉(脳)の機能で前頭葉の発達具合によって、その能力の巧拙は大きく左右されます。
↑おでこの部分にある前頭葉という脳の一部が機能低下すると感情がコントロールできなくなる
要するに、感情コントロールができない原因は心や性格の問題ではなく脳の機能の問題という話です。
感情コントロールができない人の特徴:
- 些細なことに過剰反応する
- ストレス耐性が低く我慢することが苦手
- 思考方法が白黒、0か100かの二極分化した思考
- 冗談が通じない
- 空気が読めない(KYである)
- 低い社交性
- 些細な嫌なことで酷く落ち込み、些細な良い出来事で有頂天になるなどといった感情の振幅が激しい
- 人前で自分の感情を出し過ぎる(不適切なタイミングで怒ったり、泣いたり、人前で感情を適切に制御できない)
- 自尊心、自信の欠如
- 短期記憶能力、学習能力の低下
- 目先の欲望に捉われがちで、長期的スパンで物事を判断できない
- 言語運用能力が低い傾向
などです。
感情コントロールを主に担うのは先に説明した前頭葉で、上に箇条書きした感情コントロールができない人の特徴というのは、すべて前頭葉というおでこの部分にある脳の機能に依存し、同時に上記、感情コントロールできないの特徴は、そのまま前頭葉機能不全の症状を示す人に実際に起きていることです。
感情コントロールができる人の特徴:
- ユーモアがある
- 喋りがうまい(言語運用能力が高い)
- 高い社交性
- 感情の喜怒哀楽が少ない
- 高い自尊心、他者への配慮
- 物事のグレーゾーンを見極める高度なSQ(社会的知性)
- 高い論理力、推測力、計画性
- 欲望のコントロール能力が高い
- 高度な短期記憶能力
- ストレス耐性能力の高さ
- 状況判断能力の高さ
言語運用能力が高い人は感情コントロールが得意な傾向:
たとえば、言語運用能力が高い(ペラペラ次から次へと上手く喋るような人)人では、外側前頭皮質という前頭葉の一部位が厚くなっており、そこの情報伝達が活発に行われているということがわかっています。
そして、外側前頭皮質の高機能は感情コントロール能力の高低に端的に関わり、サイコパスもしくはソシオパス(両者とも高機能型の場合)といわれる人では、ここの機能が高い場合が少なくありません。
言語運用能力が低い人は感情コントロールが苦手な傾向:
反対に、喋るのが苦手な言語運用能力が低い人では感情のコントロール能力が一般に低下しています。
気分が落ち込んでいる人が口数が少なくなるのはこのためです。
心理的にうつ状態に陥っている人や先天的に前頭葉に脆弱性を抱える人の場合、外側前頭皮質の機能が低下していることも知られています。
一般に、外側前頭皮質に限らず、前頭葉の機能全般が低下すると感情はコントロールできなくなります。
このことは、医学的に良く知られた事実で、脳科学の進展によりますます新たなレポートが学会に提出されているのです。
コラム:感情を完璧にコントロールできる人は地球上に存在しない
そもそも感情を完璧にコントロールできる人は地球上に存在しません。
感情を完璧にコントロールできる人が多く存在していれば、戦争も人種差別もそもそも古今東西、決して起きていないことでしょう。
もしそれができる人が存在するとしたら、長年の禁欲生活に耐え、過酷な修行を継続してきたヨガの行者や禅の高僧くらいです。
ですので、「私が言う感情コントロールができる」という話は、ある程度、適度に、苦痛なくそれがコントロールできるということを指しています。
感情をうまくコントロールするために大切なこと:
感情をうまくコントロールができるようになるには、脳の状態を改善させていく方策が最も有効です。
なぜならば、感情コントロールの問題というのは、とどのつまり、単なる脳のトラブルに過ぎないからです。
このブログでは、感情をコントロールするために必要なことをよくありがちな精神論※ではなく、実践的かつ科学的なアプローチから詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にされてください。実際に感情コントロールが一切できなかった人間が書いています。
感情をうまくコントロールできるようになるには、あくまでも脳科学的なアプローチが絶対必要になるのです。
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