感情がコントロールできない発達障害とは?

(最終更新日:2020/05/31)

目次:

感情がコントロールできない発達障害とは?

(概要:)
発達障害の人では感情がコントロールできない場合が非常に多いです。

その理由の一つは、
発達障害の人では、脳が特異的な発達を示している場合が多く、
創造性や空間性認知に関わる頭頂葉や後頭葉の機能は高かったりするのですが、
前頭葉の機能が低下していることが多いから
です。

前頭葉の機能は、主に、感情のコントロールに深くかかわっています。

前頭葉の機能が低下すると、感情コントロールができない状態になります。

 


↑Frontal lobe(前頭葉が主に感情をコントロールしている)

MEMO
前頭葉は衝動性を抑え、人間関係や社会において自分の置かれている立場、文脈を良く見極め、「今は怒りたいけど怒ってはいけない」「泣きたいけど今泣いたら、仕事の人間関係が破綻する」という風に、そのときの社会的文脈に合わせて、「自分の感情を適切にコントロールする」という能力を司っています。いわばそう演じているとさえも言えます。

専門用語でいえば※実行機能を司っています。

この発達障害の人が抱えやすい感情コントロールの問題はあまり知られていない解決方法があります。今回は、そのことについて詳しく説明していきます。

※実行機能とは、目的に合わせて自分の感情をコントロールし課題に集中する機能のことを指します。例えば、実行機能が低下すると仕事やスポーツ、社会生活等の日常生活に支障をきたす状態になります。

発達障害とは?

発達障害にはADHDやアスペルガー症候群、学習障害などがあります。

MEMO
〇ADHDは衝動や計画性の問題を抱えており特に感情のコントロールが苦手です。
〇アスペルガー症候群ではこだわりが強すぎ、繊細で、それにより社会的な活動が送れなくなるなどといった特徴があります。
〇学習障害では、読み書きや話すことなどの特定の分野に極度に苦手なものが存在します。

といった問題を抱えやすいです。

この鼎者(ていしゃ)に共通しているのは「感情コントロールができない、又は苦手である」という点です。

発達障害の人が感情コントロールが苦手な主な理由:

発達障害の人が感情をコントロールするのが苦手な理由は、前頭葉の機能低下が後天的もしくは先天的な要因によって引き起こされているからです。

たとえば、前頭葉を破損した人では、紳士的、聖人君子的だった人物が、横暴で反社会的かつ向こう見ずな人間に変貌してしまうということもよくあることなのです。

この実例はアメリカの炭鉱労働者であったフィニアス・ゲイジ氏のケースにより有名になったものです。
彼はもともと感情コントロールに長けた誰からも好かれる紳士的な人物でした。
しかし、ある時、建築現場でダイナマイト爆破の仕事を任されました。
そのとき、失敗して、爆風に飛ばされた鉄パイプが彼の脳(前頭葉)に突き刺さりました。

その後、氏の性格は豹変してしまい、非常に反社会的かつ自分の感情をコントロールできない衝動的な人間になってしまいました。
このフィニアス・ゲイジ氏の例から脳科学(特に認知機能に関する前頭葉)の進展、研究が始まったといっても過言ではありません。

このケースから前頭葉が「感情コントロールを司っているのではないか?」という仮説を、医学、科学の分野にもたらす結果となりました。


↑前頭葉を損傷し感情がコントロールできなくなってしまったフィニアス・ゲージ氏の脳

このタイプの人が感情コントロールをより容易にできるようにするための対策:

では、後天的もしくは生まれつき前頭葉のぜい弱性を示す発達障害の人が感情をより扱いやすくするにはどうすればいいのでしょうか?

それは、スポーツ、武道を習うことが最適です。
私は元々重度の発達障害ありましたが完全に治りました。
というのは適切な対策法を日々の生活に取り入れたことに起因します。

発達障害を運動で克服したマイケル・フェルプス氏の実例について:

発達障害の一種であるADHDを精神科医から宣告された、元世界水泳の覇者で北京五輪で金メダルを10個近く取得したマイケル・フェルプス氏は幼年期から落ち着きがなく、過活動な子供で医師からはADHD改善薬を処方されていました。

しかしながら、親の勧めで水泳を始め、日夜トレーニングに励んでいるうちに、衝動性、落ち着きのなさといった氏を苦しめていた感情コントロールの問題が次第と消滅していき、それにつれて薬も不必要になり、繰り返しますが北京五輪では、金メダルを7つも8つも量産するという金字塔を打ち立てることに成功しました。


↑フェルプス氏の例は運動がいかに感情コントロールに関わる脳機能を強化するかを示唆しているといえる。

発達障害に運動は非常に有効

実際に感情コントロール障害に関して、スポーツ、武道は非常に効果的であるということがわかっています。

スポーツや武道にはゲーム性(ルール)があるため、そのルールに合わせて自分の行動や感情を制御するという仕組みになっています。
このようなアクテビティは前頭葉を強化するのです。

何故かというと、この種のスポーツは、ルールを遵守しながら、自分の動きを決めるというマルチタスクになっているためです。

また、単純に体を動かすことによっても前頭葉による認知機能が強化され感情コントロールはしやすくなっていきます。

今現在、スポーツや武道、運動が前頭葉を強化し、感情をコントロールする能力を高めることは国際的に常識になっています。

ですので、感情コントロールがうまくできない発達障害の人は武道でもスポーツでも器械体操でもジョギングのような有酸素運動でも何でも挑戦してみると間違いなく好転するはずです。

かくいう私も、重度のADHDとアスペルガーがなどが併発した発達障害がありましたが、今ではその兆候は見られません。

すべて上記したことを実際に実行してきたからだと思います。

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↑自宅でもどこでも手軽に可能な前頭葉を強化するのに最適なエクササイズについて:
(私による解説)

MEMO
運動によって感情をコントロールする機能を司っている前頭葉という脳の部位は運動によって鍛えられることが実際に確認されています。それは、ワーキングメモリという感情コントロールや実行機能に関わる能力が特に強化されるためです。
感情コントロールの方法【まとめ】

〇サプリメントや薬等の摂取

私は感情のコントロールに問題を抱えた方へ個人指導を行っています。

 


私はそもそもUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に関与した個人指導家です。

サプリメントや薬は感情コントロールができない発達障害の人に端的に作用します。

 

例えば、ビタミンB6や亜鉛はGABAという感情コントロールに関わる(リラックス作用を呈する)
神経伝達物質を増加させます。科学的なエビデンスがあるのですが、ほとんどの人はこの事実を
知らないのです。


↑私のYouTubeの”サブチャンネル”での解説です。

発達障害のある人はビタミンB6と亜鉛の摂取を習慣化し、脳内のGABAを増加させた方が
良い。効果の高い薬もありますが、この場では敢えて紹介しません。

まとめ

発達障害で感情がうまくコントロールできないという自覚や悩みを持っている人は、運動の習慣をつけるだけで、大幅な改善が見込めるはずです。
一般の書籍としては「脳を鍛えるには運動しかない」という本が推奨できます。
アマゾンに売っていますので読まれてみると必ず何か収穫があるはずです。
(参考:)
脳を鍛えるには運動しかない

また、感情コントロールに問題を抱える方に有益な情報を、下記の記事に詳しくまとめてありますのでぜひ参照されてみてください。

感情コントロールのABC (←ブログ記事一覧ページへ戻る)

(参考文献:)
脳を鍛えるには運動しかない
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3724411/
https://slideplayer.com/slide/3547057/

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